トリアングル 俵万智。
俵万智さんのトリアングル。
あらすじは
薫里は33歳のフリーライター。仕事は順調で、妻子ある年上の恋人ともうまくいっている。年下の圭ちゃんは新鮮な喜びをくれる存在。同時に動きはじめた二つの恋はどこへ向かうのだろう…。しなやかな意志をもち、自然体でいきる女性を描いた著者初の長編小説。深遠な感情、ささやかな発見、一瞬の風景を、随所に織りこんだ短歌が鮮烈に伝える、現代の“うた物語”。
の、この本。
不倫の年上の恋人と、年下の男の子圭ちゃんとの関係もつづいてるある1人の女性の話。二股、不倫と並べるとどんなやつだと思うが主人公からはそんな感じは感じない。
不思議と2人ともと純粋に恋をしていて…でも、ふたりとも結婚と言われるとなんか違って、だからといって2人ともわかれるかと言われるとそうでもない。
恋というよりも、それぞれと一緒に紡ぐ時間が大切でそれを保持したいという感じ。揺れ動く心やそれが生活面に表れてくることもあって、その白黒つけろというと、どっちにもつけれなくてただ今の状態がなんだか心地いい。そんな曖昧さみたいなのを出しているのがこの本。
文章を書くと、私はアンニュイな感情を文章で書かずどこか色をはっきりさせたような言葉を選んでしまう。その方がわかりやすいし、書きやすいから。だけど、俵万智さんはこの揺れ動くなんとも言えない曖昧さに親近感を感じてしまう。流れて行くように進む小説のながれに、たまにの短歌が写真のように場面を切り取るのがその一瞬一瞬の主人公の気持ちを映し出しているようなきがする。
大学にいると、浮気とか二股とかをたまに聞く。否定する人も多いが、私ははなしをききながらきっと何かの延長戦にあるもので避けられなかったものだったんだろうなと思う。仲良くなる延長戦での結果なんだろうなと。
そんな曖昧さをもった話を聞くからこそ、共感する人は多いんじゃないかと思う。